松浦亜弥

そしてこの人。上半期と下半期の評価がパックリ割れた人。前半は春ツアーとカジュアルディナーショーに参加し、どれも素晴らしいパフォーマンスで楽しませてもらいました。唯一ソロで出したシングル曲である「砂を噛むように・・・NAMIDA」は自分の中で今年一番聴いた曲で大好きな曲になりました。カジュアルディナーショーでのあの存在感。それは鳥肌が立つほどの存在感で贅沢の極みを感じたものです。このまま“あややヲタ”になろうかと真剣に思ったぐらい。そしてそのテンションの余韻をのこしたまま秋ツアー。ここで事件はおきました。例の相模大野の公演中止の出来事。済んだことだし、今はあの場所でのあの対処はベターだったと思うようにはしていますが、ここから松浦さんへの見方が変わったことは事実。そうそう、ここで話しをガラリと変えて「Naked Songs」の感想を書いていなかったのでそれを少し。
先に結論を言ってしまうと、半分良くて半分ダメ。セルフカバーの曲が特に自分の中ではNGでした。その他は逆にいいな〜と思える曲ばかり。このアルバムを聴くにあたり自分は松浦さんのアーティストとしてどのような姿勢で曲に対しているかというのを推し量ろうと思っていました。そんなに重い感じではなくそれとなくそういうことを掴めるアルバムだといいな〜という程度だったのですが・・・。セルフカバーの楽曲に関しては正直言ってやらない方が良かったのではないかと思いました。というのも、全然松浦さんの歌声というものが響いてこないというか曲自体が生き生きとしていないのです。ものすごく楽しそうに歌っているのです。それは認めます。おそらく誰しもがそう感じて聴こえていると思います。生の楽器の音と自分の声が混ざり合うことが気持ちいいと思いながら歌っているのが聴いていても伝わります。でも、それってタダ単に自分の欲求を満たしているだけなんじゃないかな、と。曲の中の主人公たちがちっとも生き生きとしていないんですよね。曲の世界観が伝わってこない。自分の11月12日の日記に歌い方とか声とかの変化というより現在の松浦亜弥がどのようにこの歌の世界観を表現しているかが興味津々。ということを書きました。今回はそれがまったく感じられなかったのが残念でなりません。逆に新曲は一発録りじゃないと思うんですよね。きっちりと歌の主人公になって気持ちが入っている感じがします。気心知れたバンド仲間とするセッションとかだったら今回のセルフカバーの楽曲みたいな雰囲気は意義があるような気がしますが、正直自分としてはガッカリでした。「これが今の“松浦亜弥”だ!」といわれてしまえばそれまでですが、自分の求めている「歌手松浦亜弥」「アーティスト松浦亜弥」と本人が求めているその像とでは全然違うところにベクトルが向いているのかな〜と思わずにはいられませんでした。松浦亜弥への求心力が折れてしまいそうですが、それを踏みとどませている一握りの可能性はやはり「dearest.」と「砂を噛むように・・・NAMIDA」かな、と。
そんなことを最新アルバムで思っていたのですが、また話は前後して相模大野の次の公演である東京厚生年金会館公演の話。結果はその時に日記を見ていただければと思います。
そんなことで自分の中での松浦亜弥は今年は非常に上げ下げの激しい一年となりました。来年は年明け早々GAMでの新曲を控え、また自身のソロ曲は後回しな形になりそうな気配ですが、松浦亜弥として早く次の新たな一歩を踏み出してもらいたいものです。一つ一つ松浦亜弥という可能性を踏みしめていかないとその道を見失いそうで・・・。